今回の本の紹介
初めての作家さん、朝倉秋成さんの「俺はない炎上」という作品です。
ある日突然、「女子大生殺害犯」とされた男。既に実名・写真付きでネットに素性が曝され、大炎上しているらしい。まったくの事実無根だが、誰一人として信じてくれない。会社も、友人も、家族でさえも。ほんの数時間にして日本中の人間が敵になってしまった。必死の逃亡を続けながら、男は事件の真相を探る。
2022年5月発売とあるのでかなり新しいですね。
作家の朝倉さんも1989年生まれと若い!
スマホ、wifi、SNSなんて言葉が普通に使われているのも、あぁ最近の小説読んでるぅ!って感じがします。
ぐっときたセリフ&個人的メモ
・ピクトグラム・・・文章を読む習慣のないような市民にも、複雑な社会や経済の情勢をわかりやすく伝えるために考え出されたもので、簡単に言えば「絵記号で表すグラフ」
ex.車いすマーク、非常口マーク等
・アジテーション・・・強い調子の文章や演説によって人々の気持ちをあおり、ある行動を起こすようにしむけること。扇動。
・一気呵成・・・ひと息に文章を完成すること。また、物事を中断せずに、ひと息に仕上げること。
感想
SNSって怖い!良くも悪くも情報はどんどん広まっていってしまう。あっという間に犯人に仕立て上げられた主人公。明日は我が身でもおかしくないです。小学生の娘がサイトで知り合った男性と会おうとするとか、同じ小学生の娘を持つ母としては嘘でしょー!?という気持ちでいっぱい。
最初のほうこそ、主人公はこんな馬鹿な事誰も信じない、だって自分にはそれなりの地位もあり、周りから信頼、尊敬だってある程度はされていると自分に自信を持っていましたが、実際はそんなことなく、ただ自分がそう解釈していただけでというなんとも悲しい話。自分が思っている自分と、周囲からみた自分ってこんなに違うのねと愕然とします。途中、昔の後輩に助けてもらおうと走り続ける主人公ですが、この時も助けてもらえない、なんてことは1mmも考えておらず、当たり前に匿ってもらえると思っていたのに、やっとこ着いてでも拒絶され・・・いやもう可哀そうすぎる。だって可愛がっていた後輩だったのに。
こんな人におすすめ
・SNS絡みの小説を読みたい方
・濡れ衣、えん罪に関する小説を読みたい方
・逃亡劇小説が読みたい方
★いくつ?
全体的評価・・・★★★★☆
読みさすさ・・・★★★★★
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